[頭を振って、思考を散らす。
通常の犯罪者と違い、更正のための労働や作業などはあたえられず。
ただ、牢の壁際に繋ぎ止められたままでひとり放置されていれば、ついマイナス思考へと走ってしまいがちで。
ため息をこぼし立ち上がると。鎖が届く範囲で、腕立て伏せやスクワットなどで体を動かす。
独房の中でも体を鍛えようとする姿を見た看守から疑いの視線を向けられても、かまわずに。
時折くる面会の申し出は、どうせ『脱獄させてやるから自分のために働け』などというバカ貴族ばかりだろうからと、すべて無視して。
ただ、処刑される日を待ち続けていた。
自己嫌悪ばかりの時間が終わる、その時を――]