[かくして、本人の意にそぐわず軍人となった男は、菓子作りを職とする夢を叶えることなく、旧友の手により、旧友の胸の中で、息絶えた。 フェーダ公国軍 第5補給部隊隊長 カーク フォン バウムガルテン中尉、死亡。 享年25歳。 右脚の欠損をはじめとする遺体の損傷は激しく、その右手には焼けた革紐の切れ端と、蒼い石が握られたままだったという。**]