― 談話室を後に ―[乾いた音が響くと同時に、男の姿はその場から消え去った。彼らの、人食む獣の言い分に、ほんの少しでも正当性や妥当性を感じてしまったら―…男が幾度と思った問いへの解、それが現実味を帯びた途端、男は恐ろしくなったのだ。男が死んだのは、自らの覚悟に寄るものではなく、誰かが食む為でもなく、ただ殺すために殺されたと…、少なくとも自身はそう認識してるがゆえに。彼女が彼らにあったなら、おそらく「何故」と問うだろうし]