天使憑き……そうか、あの男にか……。[天にある頃の黙示天使であれば憤りも露わにしたことだろうが、人間の老将と言葉交わした今、その表情は複雑であった] ――しかし、そなたの事、ただ堕ちたわけではあるまい。 影に潜み仕込みをするのは、そなたの得意とするところであるからな。[そう問う口調は、どこか不安を紛らわすようでもあったか]