それも、うん、どういたしまして……、って、え……、[塗ってくれないか、と頼む声に、彼の示す容器と彼の手の先とを交互に見て、納得したようにうなずいた。と思ったらまたばつが悪そうに顔をそむけてしまったが、それも束の間のこと]うん。いいよ。[望むならばいくらでもこの手を貸そう、と、手を伸ばしてヴェルの手から容器を受け取った。僅かに触れた手は思った通り冷たい感触がした]