あなたは…?
[繭から目覚めた男の顔は…見覚えはなかった。
なにせここまで逃げて来るのにずっと怯えっぱなしで、下ばかり見て歩いてたから、他の乗客の顔など禄に覚えてるはずもない。
ただ、乗船したばかりの彼は添乗員にすら目を付けられる挙動不審ぷりであったから、他の乗客の記憶に印象漬けられていてもおかしくない。]
フェンリル…?調査…?
一体なんのことだ…???
[男の言葉に疑問符ばかりが浮かぶ。
けれど一つだけ分かる言葉があった]
『ラグナロク』って…海賊が探してるものの名前ですよね…
それが暴走してる…?
[どういうことだろう、と首をひねる。
クラッシュした記憶が思考するうちに、残骸が繋がり、それらしい思考を構築する。]
…そうだ、調査っていうのはラグナロクの事だ。
暴走してるラグナロクを見つけて海賊に引き渡してしまえば、この船はアースガルドに向かうし万事解決だ!
[導き出したのは、当たらずしも遠からずと言った結論だろうか]
…でも、一体何から調べれば良いんだろう…?
[すぐに再び首を傾げる事となった*]