[殴られる覚悟を決め……しかしフリーデルの手が振られることはなく。
目を開けると、その表情は幾分和らいでいるように見えた]
そう、ですね。
勝手だと思います。
誰にも、エルナにすら話さず、1人で決めてしまった。そして殺されてしまった。
……それでも僕は、ヨアヒムやオットーを化け物だと思うことが出来ない。
どうすれば2人を呪いから解放できただろうって、そんなことばかり考えてしまうんです。
でも結局殺める以外に方法がないなら、やっぱり僕の手で果たそうとしたでしょうし――異端者として裁かれるような事にだけはしたくなかった。
……彼らにだって、死と言う救済と平穏を、平等に与えられる権利がある。
そう、思うんです。
[その声は、届かなかったけれど。
少し寂しそうに、目を伏せた**]