─ 回想 ─
…火炎と、疾風の勇者が。
[討伐を託すという神官長の言葉に、数日前に交わした会話を思い返す。
頑張るのを押し付けたら駄目だと思うといった自分に、頼るのではなく支える事で同じ道を進むのだと返された、あの時のことを。
異界から召喚された彼ら、彼女らとの直接の面識の有無はあったか無かったか。
面識が有れば当然その中で、無ければ人伝にその人となりを知り。
あの時の思いは、今はより強いものになっていた。
今この頭上、霧に隔てられて見えない所で試練に立ち向かう彼らをメレディスが補佐しているのは言霊石を通さずとも解ること。
霧に隔てられた此方に降りて、至難に立ち向かうのならばそれを支えるのは自分達の役目だ]