[ 戦争の主体が海戦となる、今の時代。港は、どの国にとっても、それだけで軍事施設の一部だ。ましてや首都に近い港で不用意な真似ができるはずもない ]
この風景を...見せたい、とは、俺も思うがな。
[ 世界中から集まった、外装も様々の商船が行き交う大きな港、その中にはウルケル船籍...或いはウルケルで建造された船も数多い。
世界の海を一つに、誰もが自由に海を渡る世界を...そう理想を掲げたモルトガットの太陽の膝元には、その理想に恥じない光景が広がっていた。
休暇が取れれば一緒に来訪したいと望みながら山積みの処理案件に阻まれ、遂に叶わなかったゲオルグに、せめて写真だけでもこの胸躍る光景を見せることが出来ればと、内心での想いが零れる ]