フェリクス様…。[王宮の一室のやり取りを見守る気配に近づき、わたしは声をかけた。わたしと同じく魂だけの存在になってしまった、ラメールの王子様] あなたは王子でありながら、なぜ…自分の国を自ら他国に売り渡そうとしたのですか? なぜ、破滅に導こうとしたのですか…? ラメールは平和でした。豊かな国でした。 わたしが生まれた国エトワールでは、手に入れたくても入れられないものを持っていたのに…。 …なぜ、壊そうとしたのですか?[わたしの詰問は非難めいて聞こえてしまったかもしれない。*]