[シモンの姿を目にしてオットーが放った言葉>>5:19>>5:20>>5:21>>5:22は、生体でない自分の胸を抉る。]
(そうだよね。酷いよね。
…でも、演技かもしれないって思って――って、それも言い訳か。)
[恨まれるようなことは、充分にしたと思っていた。
右手には、赤い狼―クララ―を撃ち抜いた衝撃が、痺れが、この存在になる前に黒い狼と対峙していたときよりも強く、生々しく残る。]
[撃ち殺し、止めをさす。
私のしたことは、惨殺して喰らう人狼より酷い。
食べるために殺したのではなく、殺すために殺したのだから。]
[オットーが去った部屋で血の海に膝を落とし、僅かな残骸を抱くシモンを抱きしめながら、自らの業を噛みしめた。*]