まあ、俺も、黙って首を差し出そうとは思わんが。
[ ふう、と息をついて、男は、折れた刀の柄を手放すと、ポケットから煙草を取り出し口に銜える。
指先で煙草の先を掠めると、夜の影に小さな灯が浮き上がった ]
ところで、この下あたりに、俺の腕が落ちてると思うんだがな...その器用な糸でうまく拾えないか?
[ 煙を吐き出しながら、そんな図々しい申し出をしてみせる男の顔は、相変わらず蒼白だったが、その金の瞳に浮かぶのは、普段の退屈に飽いた表情でも、獲物を狙う虎の鋭い光でもなく、どこか満足そうな色だった* ]