いいさ。俺にだって、お前に黙っていることはたくさんある。[握手を交わしながら。話していないことを、ディーターへ語る日は来るのだろうか。そしてディーターもまた、決してすべてを語り終えたわけではないだろう。]話したくなったら話すから、その時はまた酒に付き合ってくれたら嬉しい。[この死人が集う世界に、何が有って何が無いのか、まだ見当もつかないが。それでも話す時間だけは、きっとあるのだろうと。]