― まどろみ ―
[小さい頃、そう、三つだか二つだか、てけてけ歩き回れるようになってやんちゃ盛りのファミルが編み出した、歩く人の足元着地寸前にバナナの皮を構築すると言う外道極まりない魔術と言う名の悪戯を、偶然か悟ってか華麗に回避した「にんげんのにーちゃん」に、これでもかと言うほど無駄極まりない魔術をひっかけてやろうと躍起になっていた頃があった。
突然ふっと思い出した、そう自覚した時はもう、薄ら目を開いていた。]
ちげーよ!!
猫どもには俺の大事な大事な財産管理を任せてんだ、
ここでぽっと死んじまったら困るだろうが!!
[やっぱり反射で意地を張ってしまうのだった。]