[自分が公国軍に士官した当時、先輩士官にどうやら彼らしき人物が見当たらない時点で、帝国軍に居るであろうことは容易に想像がついた。
そして、彼ほどの力量と器の人間なら、大いに活躍し出世しているであろうことも。
後方支援中心の補給部隊にいる自分と、部隊を率いる高位の帝国士官であれば、前線で交わることもなかろう、だから二度と会うことはないだろうと、開戦してから胸をなでおろしていたのだが。
「なぜ、ここに」という思考をつむぐ力も、既にカークには残されていなかった。]
(ソマリ……頼む、早く)
[学生時代、いつも近くに居て、支えになってくれた友に、ただただ、救いを求めていた。]
(……逝かせてくれ……)