[敵陣の中、見張りをつけられて外にも出られない現状に焦りや不安は抱きつつもそれは表に出さぬように努めた。
そんなものに駆られては、身も心も休めない。
回復には、何よりも休息が一番の薬。
戻らぬ自分の身を案じてくれているだろう仲間の元に帰る為、時が来たらすぐに動けるようにしなければいけないから。
緋色の背で聴いたあの声の元に、早く戻りたいから、と。
そう思いながら意識が薄れたからか]
…え…キアラ?
ちょっと、どうしたのその怪我!
大丈夫!?トルメンタも、平気!?
[その姿に、思わず目を瞠る。
この場がどこなのか、何故こんな所にいるのか。
そんな意識も持てぬ程動揺しつつ、慌てて声をかけた]