[搾り出すような声に、驚いたように目を開く。
そして、ほんの少し非難の色を浮かべて「手紙を覗くなんて趣味が悪いと思います」とぼやいたが果てさて、色めき立つ彼女の耳には届いていたか]
……そりゃ、相手は友人とはいえ人狼ですし、生きて帰れる保障がなかったから、シスターの仰る通り手紙を残したんですけどね。
彼は僕の友人だから。
僕が止めなければいけない――違うな。
止めたかったんだ。
[そんなのは自分のエゴでしかなく、結局はこうして死んでしまったし、エルナを独りにしてしまった。
殴らなければ気が収まらないと言うフリーデルには何も言わず、ただ、怒りを受け止める覚悟を示すように黙って目を閉じる]