面倒が増えたことに変わりはないではないか。
[程度はまだわからぬものの、心身の支配が緩んだことは確実。
目覚めた時の反応は、完全な隷属者としてのそれとは異なっていることだろう]
[とはいえ、まだ徴が残る以上、召喚主として従華の傷を癒すことは可能であった]
氷よ、従華の欠けたる身を埋めよ。
[低く呪を唱えれば、少女の失った手足を模るように、氷が現れ接続される。
人肌に似せてはいるが酷く青白いそれは、しばらくすれば少女の身へ馴染み、不自由なく動かせるようになるだろう。
生身でなく精霊に近い従華の身であるからこそ可能な治療であった]