[使者が辞したのち、ジークムントは一通の手紙をしたためた。最近また少し顔を見ていない人の面影を浮かべ。]
『シスター ナネッテ
お元気でいらっしゃいますか?
子どもたちも元気に過ごしているだろうか。
このところ顔も出せず、貴女の淹れるお茶の味と、
彼らの無邪気な笑い声が恋しくなるばかりです。
さてこの度、良いものが手に入ったのでそちらに送ります。
どうぞ役立てて欲しい。
また折を見て、そちらに伺います。
もしも不足や困りごとがあれば言って下さい。
貴女の顔が曇ると、
悲しむのはそちらの子どもたちだけではないので。
ジークムント・フォン・アーヘンバッハ 』
[短い手紙をしたためて、部下を呼ぶ。
やがて顔を見せた青年にジークムントは目を細めた。]
ゲルト。