――…よし。では、よろしく頼む。
[タチアナの答えを貰い、一つ頷く。
そして、隊の一員として彼女に願うことは以下のこと]
タチアナには、特に頭上を気にして欲しい。
人というのはどうしても前後左右に意識が向きがちでな。
上と下の警戒がおろそかになりがちなんだ。
下はまだ地に足が付いている分、上よりは警戒は行くけれどな。
[ある意味一番重要な箇所を彼女に任せたのは、
翼毒蛇の気配を一番に感じていたように見えたからだ。
急にこれの願いはいささか重すぎるだろうか?と、
バルタザールに内心迷いがない訳ではない。
ただ、バルタザールは、その迷いを表面に出してよい立場で今はない。
決意を秘めたように見える彼女を信じるように、見据えた。
そして、大概この手の信頼をバルタザールは裏切られたことがない。
だからこそ、未だ生きて此処に在る。
その信頼故の結果は、直ぐに出ることになるとは、流石に思って居なかったが。それもまた聖神『オルキス』の導きか]