[ペーターとしての何処か哀れぽい瞳は、そう。ヤコブへ対し向けられていた]
(――…あんなに、面倒見もよくて可愛い。
ヨアヒムのお嫁さんになるとすれば、知る限り誰より最適だろう奴だろうに……。
…………ヤコブに負けちゃうんだもんなぁ…………)
[事実や真実の相関図等、青年は完全に知らない。
知りたければ、この"トライアングル"の当事者達に聴くしかなかろう。 が。
兄貴分、幼馴染として、思春期を育ち、大人へ成長するまでの彼らを、肉体は成長しない己なりにも眺めてきたペーターは。
――彼らの"関係性"を実は、そういう風に解釈していた事など、恐らく兄すら知るまい**]