[異界の冬は画一でなく、地形の影響を受けもするらしい>>+0。
『譲葉』の冬も、厳密に見ればそうした違いはあっただろうか]
冬があるからこそ、生まれたもの……?
[本来氷華が求めたものは、そうした光景ではなかったか。
しかし、そうして冬の中生まれたものを、自身はちゃんと目にして来ただろうか?
苛烈すぎる冬が、そうした細やかな努力すら根こそぎに吹き飛ばしていくのを、当然のものと受け止めてはいなかったか]
そうした冬の過ごし方も、あるのだな。
[異界人は術のような力を持たぬ代わり、ハルトの銃のような奇妙な道具を操るという。
その点では、自然の脅威への感じ方接し方は、異なる部分はあるかもしれぬ]
[しかし――身を削り耐え凌ぐのではなく、その中に楽しみすら見出す。
冬をそうした季節として捉える言葉を、氷華は初めて聞いたのだった]