―広場―
[まだ、来るつもりはなかった、と彼は言うが。
フリーデルは絞りだすような声でそれに応えた。]
……じゃあなんで手紙を遺したんですか。
死ぬ覚悟、最初からしていたってことじゃないですか……!
[全て見ていたのだから。
少なくとも、あのような手紙を残すというのは、最初から生きて帰れることはあまり期待していなかったということだろうということくらいは、簡単に推測出来るわけで]
……歯を食いしばってもらえますか。
……私がそうすることをエルナさんが望んでいるなどとは思いませんし、死者に鞭打つなどシスターとしてあるまじきことですが。
[徐々に、徐々に。語気が荒らげられて。
生きていた頃ですらしたことがないほど、攻撃的な目線をまっすぐにニコラスにぶつけて。]
一回この手で殴らないと、私の気が収まりません!!