......っ!
[ 咄嗟に身を捻ろうとするが、既に遅い。しなる糸が肩から胸を一直線に斬り裂き、月光の中に鮮やかな紅が散る ]
く...あ...!
[ それでも、膝をつくことを良しとしない男は、折れた刀でビルのコンクリートに無理矢理突き通し、その柄を握りしめて身を支え、金の瞳を飴色に向けた ]
は......やるじゃないか...
[ 焔は、刀が折れた時に消えている。だが、常ならば、すでに回復が始まっているはずの男の右腕と、胸の傷からは、止まる事無く血が零れ続け、男の顔色を蒼白に変えていく ]
少し......燃やし過ぎたな......今なら、その糸で、首でも落とせば、俺も死ぬだろう...
[ やってみるか?と、虎は狼に問い掛け、小首を傾げて見せた** ]