[剣に絡んだ緋色が動く。そこから放たれたのは二本の縄と化したモノ]しま…っ…![避けられない。緋色が絡んでいた剣が近すぎた。左腕は動かせない、振り払えない。一つは、右手首に。もう一つは両足に、絡みついて枷となる。それだけのはずなのに、自由を奪われたようで、睨むように「貴人」を見た]……こっち、手首だけでいいのか?[それでも、剣を持ったままの右手を少し動かして、問う]