[実際アーなんとかさんが怨霊に取り憑かれているかどうかは定かでは無いが、心の中では取り憑かれ、苦しんでしまえば良い、と願ってしまう。
そんな恐ろしい想いを抱きながら、手に持っていた赤い放射状の様な百合の花束を近くのテーブルの上に置いたならば。
用事は済んだとばかりに病室から出ようし、一旦足を止め振り返った。]
あぁ、あの花はぁ、お見舞いの品ですのでぇ、ここに置いておきますよぅ。
リコリスっていう花ですぅ。
確かぁ……死人花とかぁ、幽霊花とかぁ、剃刀花とかぁ……地獄花とか呼ばれてましたねぇ。
普通はぁ、彼岸花って呼ばれてますがぁ……。
ともあれぇ、お大事になさって下さい?
[フッと笑みを浮かべたら、そのまま病室から立ち去った*]