[青年ヨアヒムより先に、男の足を止めたのは、少女の泣き声>>+8だった。 微かなそれを頼りに、そちらへ向かう。 少女の姿を見かければ、その向こう側に広がる光景に、目を見開いて息を呑んだ。](――あの、宿屋……?)[喧々諤々の、やりとりが見えた。またオットーが何事か叫んでいるようで、強い語気が伺えるが、それはどうにも、うまく聞こえない。]