(苦しい……早く、終わるといい……)[霞がかかった視界の向こうに、なぜか父親の顔が浮かぶ。 貴族としては歴史が浅いバウムガルテン家の名を上げるために、 息子が士官となることを切に願っていた親父は、名誉の戦死を喜んでくれるだろうか。 それとも、たったひとりの跡継ぎを失って、少しは悲しみにくれるのだろうか。] (……)