[14年前、レオンはこの地への出向を自ら申し出た。船の為、未知なる大地への好奇心の為。
出向期間は約半年。その間故郷に戻れることは出来ず、電話や通信は愚か、手紙を出すことも適わない。
レオン自身も家族と別れることは辛かった。
妻も未知の惑星への出向を最後まで反対していた。
娘も育ち盛りの可愛い時期であり、彼自身家族を誰よりも愛していた。
しかし、レオンのネオ・カナンへの熱情は強く、その決意は誰にも止めることが出来なかった。
「土産話と土産を期待して待ってろ」と言い残し。
滞在は予定よりも数ヶ月伸び、13年前に故郷へと帰還。
家族との再会を果たした時、彼の両手は妻を、娘を幾度となく抱きしめていた。
「長い間家を開けてすまなかった。これからは俺も落ち着くことにする」
今後のことを考え、現場に出るのは後進に譲る、と。
ここで終われば、特に珍しくもない普通の一般家庭の話。*]