― 天上宮・治療院 ―[目を開けた。目蓋の裏の蒼は消え、どこか気の抜けたような己の吐息が耳に届く。勝手に閉じていくのを半ば無理やりこじ開ける風なまばたきを繰り返している間にも、周囲の状況は少しずつだが確実に知覚されていく。寝かせられている寝台の感触、わずかに届く薬草の香、寝台の傍に身を置く、漆黒の―――]………、 あ、 っ、あなたは、[その人影が誰か、頭の中でしっかり弾き出された瞬間、>>+7]