[漠然とした恐怖を感じながら、奥に眠るカークの側へと向かう。]
カーク……死んだらダメだよ……?
だって、カークは"ドクター"なんでしょう?
[頭に伸ばした手はやはり触れる事はなく、すり抜けてしまう。
その時、カークが目を覚ました(>>2:122)。
突然の事でびくりと肩を震わせる。
一瞬、自分の声が届いたのかという期待を持つが、彼の瞳は私を捉えてはいなかった。
きっと私は今、複雑な表情をしているだろう。
カークの声を聞き、2人の男女もこちらに気づいた。
男性は顔だけこちらに向けて(>>2:129)。女性はカークの事を先生と呼んでいるらしい。目から涙をボロボロとこぼし、お説教をしている(>>2:167)。
それは、本当に心配していたからこそのお説教。安堵からくる涙。
それを私は、宙に浮かんで見ていた。]
この2人がそばにいるなら、きっと大丈夫だよね?
……私は、どうにかしてみんなに私の声を届ける方法を探さなきゃ。
[少し寂しげに微笑んで、医務室を後にした。]