[ 人一人、両腕に抱えて歩き出しても些かの揺るぎもない玄武神の歩みは、最小の揺れしかカサンドラの身には与えず、その漆黒の内に満ちる浄化と治癒の力を備えた水気は、緩やかに、 彼女の消耗した気を補い、疲弊した身体を癒していく ]
[ カサンドラが次に目覚めるのは、その玄武神の腕の中だったか、それとも運び込まれた治療院の寝台の上だったか...どちらにせよ、友に頼まれた教え子のこと、目覚めるまでは、傍で様子を見ようと、男は決めていたから、カサンドラが目を開き、最初に見るのは、漆黒の武神の顔ということになっただろう** ]