[持参した菓子籠はそのまま卓の上に置けるものを選んできた。硬めに炊かれた濾し餡を包んだ月餅と、色とりどりのあられ餅は目にも楽しさを運んでくれるもの。城下を巡るなら夫と共にと同行を遠慮した己が退屈せぬように、という贈り手の想いが自ずと伝わってくる。内庭に咲く花の種も併せて、地上に下りた彼女、彼らに想いを馳せかけたのだが]…まぁ。[>>+4ふわり、空から舞い降りた鮮やかな朱に、目を瞠った]