…気持ち良さそうだなあ。[これは彼の特技だと素直に思う。本当に、本当に気持ち良さそうに寝ているのだ。何だか寝てても仕方ないと思うほどに、気持ち良さそうなのだ。だからすぐに揺り起こすことはしない。けれど別段遠慮することもなく、お湯を沸かして紅茶を淹れた。大体、こうしていれば勝手に彼は目覚めるものだ。これもまた、仕官学校時代以来培われた経験というものだった]