[身の端をほろりほろりと崩していく塵は、何かの意思を受けてでもいるかのように、時にゆっくりと、時に速く。青年の透明な体を削ぎ落として、消し崩して、空気と同化させていく。 頬を伝う一滴の滴さえ、落ちる前に黒く塵となって空気に溶けて行って。] …ごめん[肉体のあるうちに遺した言葉と同じ言葉は誰に向けたものだっただろう。ひとつ声を残して、透いた青年は、完全に消滅した。]*