…捕虜っていうより。
幽閉ね。
[恐らくは又従姉が明かした事情のせいだろう、通された部屋は殺風景ではあるが休むには充分過ぎるものだった。
肩に受けた傷も、酷く打ち付けた背中もちゃんとした手当てを施されて。
見張りを置かれると言われても、大人しく従った。
それは諦めたからでも、受け入れたからでもなく、仲間の元に戻る為]
見張り役とか、イヤな仕事させて悪いわね。
逃げたりなんかしないから、気楽にしてて良いわよ。
あたし無駄に体力使う気ないし。
あ、ところでさ。
あんた、名前なんていうの?
あたしはリーゼロッテって言うんだけど。
[見張り役を任された少女には、申し訳なさそうに笑って告げて。
ただ黙っていてもつまらないだろうと、お互い身体に障らぬ程度に他愛ない話でもして時間を過ごしただろう]