[雪を踏みしめても、何の音もしなければ感触もない。冬景色の中で佇んでいても、寒さも感じない] ――なるほど、確かに死は救いなのかもしれない。[物理的な苦痛の全てから解放される。だけど、魂がここにあるかぎり、それは逆に苦行となる。声も届かず、触れることも出来ない。ただ――見ていることしか出来ない]