―― 『神魔の領域』・川エリア ――
[矢に力を与えたり、時に戦場を飛び交う色つきの羽根も、切っ先鋭い時計の針を模した剣も、
天命石を媒介をした己の術の産物である。
黒を基調としているが、橙色の光が線上にぼんやり光ながら走る針。
斬るには不向きだ。ゆえに刺突武器のような使い方をするしかない。
普段弓を得物とするゾフィヤがこれを手にする時、というのは、
己の扱える「時」にまつわる力を正しく相手に伝播させる時だ。
わずかでもいい、相手の時間間隔を針によって狂わせることができれば――
たとえば、いつの間にか「過去の時間のどこかにいる」と感じさせることができれば。
付け入る隙はそこにできる]