─ 現在軸 ─
[養い親も含めた、神殿の面々の見送りを受けて出立した先は聞いていた通り─否、それ以上の厳しさだった。
今まで自分は神殿や門前町など危険の少ない場所にいた、異変があっても一度に察知するのは片手で余る程度のものばかり。
四方八方から様々な気配、敵意を感じるのは初めてのことで疲労も緊張も今までとは比べものにならない。
それでも精一杯、鼻や耳、肌など己の感覚を全て研ぎ澄ませて団が進む先の気配、異変を探りながら此処まで来た]
………だい、じょうぶ。
[同行を貰えた報告の際神官長から言われた通り>>1:*5出来る限りの準備はしてきたし、そもそも前面に立ってはいなかったから怪我は無い。
癒者から問われた治療の必要には頭を振り、他の人の治療にあたってもらう。
ただ疲労が想像していた以上に激しくて、酷く休息を望んでいる身体を休めようと間近の根に寄りかかった刹那、その感覚が自身を襲った]