― 数年前の回想・森の中 ―
[あなたは、 だあれ? >>3:+80
届いた聲にそっと瞼を下げた。
泣くだけだった赤子が、こうして人の言葉を紡げる。
それは一重に今の生活の賜物ではあった。]
…………
[ヴァイオリンを構え、弓で四弦を巧みに震わせる。
木製の楽器から音となって溢れ出す優しい音色。
それは翼を有するものを寄せ付ける五線譜となる。
男が望まずとも野鳥達は集まり、男の周囲に寄り添う。
背中から一対の羽根が生えた。
少女の生えたてのものとは異なり>>3:+77、
漆黒の羽根は蝙蝠や悪魔を連想させるように大きい。]