[この空間から脱出せんと繰り出した一撃。
それが届くか否かの間際で、必殺の一矢がドームの外から飛来する]
《ドンッ》
[少なくない衝撃がメルヒオルの身体を揺らす。
真珠色の尾を引いた矢は、ドームの頂点で動きを止めたメルヒオルの胸の中央を確かに貫いた]
───── かはっ
[矢の衝撃で肺から空気が全て出てしまうような感覚を覚え、呼吸が止まったかのような感覚を得る。
数多の傷、その上に傍目致命傷と言える一撃を打ち込まれ、メルヒオルの身体は遂に力を失った。
右手から滑り落ちたランスと共に、光の羽根と花弁に刻まれながら再び舞台の上へと落ちていく。
落ちたメルヒオルの身体は、力の限界を示すように元に戻っていた*]