まあ、そうだろうな。
[ そこまで深く考えていないだろう、というディークの言葉に、黒虎はあっさりと肯定の頷きを返す。
そして、そもそも、大人しくは、という評価らしきものには、愉しげに目を細めた ]
それはお前も同じだろう?
奴らが何を望もうが、企もうが...その思惑に乗って戦おうが...最後に自分の意志を捨てるようなことは無い。
お前や俺ばかりじゃない、多分、今ここで戦う連中、全員な。
[ 過るのは、きっと今も、主の元へ帰るために戦っているであろう、僅かの間言葉を交わした娘のことか ]
結局、奴らのやっている事は、無駄に遠回りな自殺にしか俺には見えん。
だからな......
[ とん、と、貯水槽を蹴って虎は月の光の中を跳ぶ ]