……単語が多くて、覚えきれ、ない……
[勇んで踏み出してはみたものの、頭脳労働はダメである。
とても駄目である。
ファイルにまとめられたラグナロクのストーリーは、ひとつ登場人物の名前を叩き込めばさっき見かけた登場人物を忘れるといった有様だ。
けれど、なんとか読み通せたのは、以前センパイから聞いて、北欧神話をいくらかざらりと調べてみたことがあったから。>>0:337
くらくらする頭を振って、まずは手足で探そうと室内をぐるり、見渡す。
歩き回って様子を見ていれば、ソファの後ろに何かが落ちているのが見えた。
実験用の器具だろうか。
拾い上げ、眉を顰める。
――赤黒い色、これは……
よく見れば、その正体が 分かった/分からなかった【coin】]