[――私の命を奪った獣は、先輩までもその手にかけたのでした。
再び先生を狙おうと飛び掛った獣は、先生を庇い盾となったケーリッヒ先輩の腹部に喰らいついたのです>>3:301>>3:305。
ケーリッヒ先輩の腹部から流れ出したのは、私の時と同じ、大量の、深緋。
叫び声を上げる前に聞こえたのは、銃声。
薄明かりの中見えた見えた姿は>>4:313。]
ダーフィト!!!
[私の半透明の体は咄嗟へ彼の元へ近付いていたのです。]
――駄目っ……! ここに来たらダーフィトまで死んでしまうっ……! お願い、逃げて……!
当然声が聞こえることも――例え奇跡が起こって声が聞こえたとしても、彼が逃げることはまず無かったでしょうが。
――しかし時は遅く、ケーリッヒ先輩……そしてタイガさんは、大量の深緋の中、二度と動くことはなかったのです。*]