― 宿の前 ―[腕を組んで、相も変わらず景色を眺めている。振り返ってみれば、つまらない人生だったな、とか思うが、雄大な景色を見ていると、だんだんとどうでも良くなってくるのだった。雪が日に照らされて、光を反射して橙色に染まり、輝いている。やがて日は沈み、また静かに星が瞬きだす。ぼんやりと思考を巡らせながら、ただじっと、飽きもせず。景色を眺め続けていた。**]