……驚かせてしまったら、すみません。
ぼくは、ベネディクト……あなたたちには、『長』です、と名乗った方が通りがいいかも知れませんが。
ここは、あなたたちの暮らす『街』の『外』……にある、私の研究室ですよ。
[苦笑しながら、自身の名と場所を教える。
幾つもの鉢植えが並ぶ不思議な空間。
そこに咲く花の中には、今目覚めた花精にも見知ったものがあるかも知れない。
当の花精は、自身の本体の傍にふわりと寄り添うように立っている。
振り返れば、自身よりも大きな本体の姿が目に入るわけで、それはそれで怖いかもなぁ、なんて思いつつ、魔導師は花精の様子を伺った。*]