……っ、く…[重い衝撃と強い痛み。嫌な音がした。役に立たなくなった左腕、呼んでいた風は放たれる事なく霧散する。声を上げなかったのはせめてもの意地だった。ぐらりと、揺らぎかけた体を何とか踏みとどまらせて、唇を噛み締めて「貴人」を見た]やってくれるじゃねーか……![呻くような声を落とし、剣を構え反撃を試みる。小細工なしに袈裟懸けに切りつける、その精度は、体のバランスを欠いているせいか僅かに低い]