…………ほんと、どうしてこうなったかな。
[鉄格子に凭れ掛かりながら。
妙に落ち着いた――けれど、どこか空虚な気分で――遠く離れていく、シュヴァルベの荒地を眺めた。
逮捕され護送されていくことそのものには不満はない。
むしろあれだけの暗殺と殺人を行った自分が、今まで逮捕される事がなかったほうが不思議なくらいだ。
戦争の先に何を望むか。その問いへのトール答え>>2:522>>2:524を聞いて、心が動かされたのは。
クレメンスに従うことをやめ、全ての罪を白状し認めて裁かれる事を選んだのは。
それ以前にカサンドラと話をしていた中で、自分自身の『掲げていた理想』と『本当の望み』との違いに、気付いてしまっていたからだ。