― 天上宮 ―
[クリフたちと別れた後、城下の数か所を巡り、あれこれと仕事を片付けて。
天上宮へと戻った頃には、既に討伐隊は出立していた]
……ま、我らが主であれば、案ずることもない、か。
蒼龍殿がついておられるのであれば、なおの事。
[二神の戦場での在り方は、様々な逸話にて聞き及んでいる。
故に、そこを案ずる必要はない、と判じていた]
こちらの護りには、要たる方も来られているようだし……一先ずは、警戒を怠らぬようにしておくべきか。
[遠き陰気とは異なる、天上宮近くにわき立った陰の気は感じてはいる。
なれば、そちらから流れ込むものを討つのが己が務めか、と。
そんな事を思いつつ、足を向けるは物見の楼閣。
空を、それに近く在れる場所を好むのは、幼い頃から変わらぬ気質。*]