― 霧がまだ晴れぬ中・地上 ―
[ルゥルゥと弱ったような声を上げて、トルメンタは角を少女の額に当てていた。その首を新たな音がした方に巡らせる。>>1
シュテルンの姿が見えると、助けを求めるようにルゥゥと鳴く。
無数の風刃は氷竜の翼も痛めていた。その状態で吹き飛ばされたキアラを追いかけたため、単独でもどうにか飛べるかどうかといった状態。
精霊と一緒に見つめられて、パサリといつもより力なく翼を動かす。>>29
正確には伝わらなかったようだが、精霊師の少年は正しい判断をしてくれた。たとえ飛ぶことが出来なくても、氷竜は少女の傍を離れようとはしなかった]